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自閉症児[言語認知障害児]の発語プログラム
無発語からの33ステップ
石井聖著
A5判/並製 2940円(税込)
ISBN:4-7614-0201-6
問題行動の生起と言語の未獲得は表裏の関係であるとする著者は、概念獲得こそが指導の要であると訴える。コロロメソッドの集大成。
●目次
序章 認知障害の世界とは
第1章 言語認知障害をのりこえる
1 概念(抽象言語)とは
2 表相(サイン)言語とは
(1)無言語(発語)期
(2)表相(サイン)言語期
(3)天空の中から自分だけのたった一つの星を見つける
(4)非言語世界の支配構造
(5)見えにくい認知障害の本質− 非言語世界の本当の姿 −
3 パターン言語(認識)
(1)行動も言語もサークル・パターン
(2)文章題の主入力は視覚野ルート
(3)口頭題の主入力は聴覚野ルート
(4)文の見取り図パターンとは
(5)短期(一時)記憶のルートとは
(6)短期記憶の受け皿はいつも空っぽに
(7)見取り図パターンに陥らないために
4 内言語への道
(1)連鎖の1拍子性と選択肢のない選択
(2)皮質錐体路系
(3)白い日記帳から生起されるイメージは
(4)筆者の言語イメージと読者
(5)内言語と自己防衛
5 まとめ
第2章 発語プログラムの道筋 −33ステップの概要 −
1 概念学習の第1〜第2段階
(1)ステップ1〜6 : 無シンボル期・視覚感応ルート(第1段階)
(2)ステップ7〜11 : 視覚語期(第1〜第2段階への移行期)
(3)ステップ12〜19 : 聴覚言語期(第2段階)
2 概念学習の第3段階
(1)ステップ20〜29 : 受動的発語期
(2)自発語への道 −膨大な量の質問文のパターニング−
(3)ステップ30〜33 : 自発的発語期
3 概念学習の第4段階
内言語=脳内ルートの完成
第3章 学習レディネス −今日からできる概念学習−
1 初めてコロロに来た子どもたち
(1)事例1 −幼児教室・初日の1コマ−
(2)事例2 −学習教室・初日の1コマ−
(3)普通のやり方ではできない子どもたち
2 学習指導の前提
(1)体幹支持
(2)反射の抑制
(3)歩 行
3 学習レディネス1 : 座って物を見る−着席注視訓練−
(1)着席注視訓練1 : 対面して教材を見せる
(2)着席注視訓練2 : 大人と対面して座る
4 学習レディネス2 : 座って課題に取り組む
(1)目と手を使う教材
(2)教材例
第4章 学習を進めるに当たっての留意点
1 学習環境・学習姿勢
2 教 材
3 プロンプトの質と量
(1)プロンプトとは
(2)プロンプトの使い方
4 大人による評価(賞罰)
5 学習と抑圧
6 課題がうまくいかないときには
第5章 発語ステップ33
ステップ1 同型マッチング
ステップ2 動作模写
ステップ3 定位模写
ステップ4 異型マッチング(絵と字のマッチング)
ステップ5・6 書字1枚から書き分け2〜3枚
ステップ7 書字枚数を増やす
ステップ8 模写の意味がわかる
ステップ9 初めて聴覚刺激を加える
ステップ10 口型模倣
ステップ11 内発音の獲得
ステップ12 聴覚語の獲得
ステップ13 聞き取り・聞き書き
ステップ14 カード(文字)+口形+音声模倣
ステップ15 音声模倣
ステップ16 自習ができる(書字100枚)
ステップ17 数
ステップ18 動作語の書字
ステップ19 属性の書字(色+物+数)
ステップ20 絵カードを見て発語
ステップ21 文字カードを見て発語
ステップ22 言葉の模倣
ステップ23 動作語模倣
ステップ24 いろいろな人の声と自分の音声のマッチング
ステップ25 発音矯正
ステップ26 判断学習
ステップ27 関係概念
ステップ28 文章題
ステップ29 音 読
ステップ30 自発語の誕生
ステップ31 会話パターン
ステップ32 歌を歌う
ステップ33 絵日記を書く
●推薦文
この本『自閉症児の発語プログラム』は、著者らが続けてきた長年の実践から生まれてきたものである。実践の中で磨き抜かれた訓練プログラムは行動分析学の手法と見事に合致している。当然のことながら、実践で得られた事実を学ばなくてはならないことを思い知らされる内容である。この本は単に発語を獲得するだけではなく、自閉症児が発語を獲得する過程で、さまざまな問題行動をも一つ一つ乗り越えることができるということを明らかにしている。問題行動という障害を乗り越えながら発語を獲得するには、特別なトレーニングを積んだ療育者だけに頼っているわけにはいかない。家庭や学校との連係プレーが必要である。この本は家族や学校の先生が自閉症児の学習を進めるとき必要な知識のすべてが盛り込まれているといってよいであろう。特に重度とみなされている自閉症児にも対応できるように小さなステップに分けて説明しているので分かりやすい。自閉症児に限らず拙速な学習が楽しいわけがない。この本の中には驚くほど豊富な教材が詳述されている。コロロの教室での長年の経験から生まれ使われてきたこれらの教材や、自閉症児にとって不得意な着席や注視の訓練プログラムを見るだけでも、訓練プログラムの入り口で挫折していた家族や先生に再挑戦する勇気を与えるだろう。
この本は、教材のアイデアと訓練テクニックだけで満たされているように見えるかもしれないが、長い年月を自閉症児とともに歩み、徹底した実践を貫いてきた背景にある障害児への愛情が、すべてのページ、行間に感じられる本である。
白梅学園短期大学心理学科教授 金子 尚弘
*所属は刊行時のもの
●推薦文
これはとても不思議な本です。
この著書に示されているステップを忠実に追っていくと、わが子とどのように関わっていけばよいのか、深い霧の中を彷徨っていたのに光の中を歩き始めていることに気がつくのです。わが子が言葉をえて、子育ての楽しさが家族を和ませ、親族にかわいがられ、地域で触れ合う人に褒められるようになるのです。障害を持った人としての幸せでなく、人としての尊厳を構築していくのです。その力は著者自らが四半世紀にわたり障害児との臨床経験を基に生み出された我々への熱いメッセージだからです。
氏の研ぎ澄まされた眼指しが彼らの特性をとらえ引き出し、彼らを我々の言葉の文化圏に導き入れる重要で詳細、かつ密度の濃いデジタル的な手法で語られています。
彼らとの付き合いは誠に厳しく保護者とお子さん、我々援助者と赤裸々な魂のやり取りが迫りくることもあります。言葉の学習過程で“心に傷がつくから”、 “いつかそのうちにきっと”と世間一般でよくいわれているあいまいなものはここにはありません。氏が丁寧に扱いたいこのメッセージはなんとしても人間の文化のかしらなる言葉概念の世界に彼らをいざないたいという思いが魅力的に凝縮されているのです。
子育ての根源である達成感、成就感を親子で体験する奇跡にあなたも遭遇できます。
「驚かない人間に奇跡はない」 エーブナ・エッシャンバッハ
社会福祉法人至泉会 あけぼの園園長 森 規澄
*所属は刊行時のもの
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